<挿絵>8月22日(水)Aクラス 9


今回冒頭文を担当します18期の石崎静香です。よろしくお願いします。

まだまだ暑い日が続いています。

本日の先生の装いは白い帽子、藍色に近い紺色のポロシャツ、白いパンツ、白いタッセルローファー、靴下も白地に細い紺色ボーダーで抜かりなし。

授業の途中でゴキブリが先生の後ろの棚や椅子の下に姿をあらわしましたが、先生は「年に1度くらいかな、ここ時々出るよね。」とクールにスルーされました。

夏休み明け最初の授業、今回の課題は”挿絵”。
みなさんそれぞれ選んだ本の作品が様々で、同じ本を選んでいても描いているシーンが違っていて見ていて面白いです。
絵が並んだ時にパッ見ただけで“自分も知っているあの本だ”とわかると快感だったり、自分が知らない本を絵を交えて紹介してもらえたりするので“挿絵”と“装画”の日は読書意欲も湧いてなんだかお得感があります。
全体的に先生のコメントはやや厳しめでしたが、挿絵は装画やカットよりも難しいと聞いて少し慰められました。

講評の中で挙げられた主なポイント

l  挿絵の授業の時は本を持ってくること

<挿絵について>
 l  挿絵は装画やカットよりも難しい。
  装画はイメージでも描けるが、挿絵は内容に合わせる必要がある。
 
l  新聞小説もカットではなく挿絵になる。
  
量が多いことも大変だけど、その週に書かれている内容を描かなくてはいけないから大変。
 
l  はがきサイズは挿絵にするには小さい。
  
シーンを描くのでカットより大きめに。
 l  心理描写を絵にすることは難しい。
  
抽象的な描写にするよりも、ちゃんと描いて気持ちを雰囲気で出す方が伝わる。
 
l  純文学はエンターテインメント的な作品よりも絵にしにくい。
  
主人公をどこまで描くかが問題。
  
純文学の場合は具体的に描かずに主人公を象徴する物を描くという方法もある。

<イラストレーションについて>
 
l  イラストレーションはわかりやすく。
 
 描いているものを“何?”って思わせない。
 
 説明しないとわからないのではいけない。
 
l  きちんと確認して描く
  
男性のスーツ・学生帽・着物などはわかっているつもりでも描く前にディテールを確認した方がよい。

<白黒作品の描き方について>(グレーの使い方についての質問を受けて)
 l ムラが無いようにするならアクリルガッシュを使うとよい。
  
ムラを活かしたい場合や厚塗りにする場合はアクリル。
 
l グレーの色画用紙を使う場合は特に全体をグレートーンにしない方がよい。
  
白を所々アクセントとして使う方が僕好み。

<その他>
l  個性は奇をてらわなくても出てくるもの。
l  方眼紙は建物を描く時に便利。
l  赤ん坊とおじさんって似てるね。

 次回はAクラスも日曜日。日程表では“実技”と書いてあるんですが、具体的な内容については一斉メールでお知らせがするそう。
今日みなさんが選んだ本の装画を見られるのは次々回になりますが見るのが楽しみです。

明日館の庭では天体観測をしている人がいたり、コオロギが鳴き始めたりと少しづつ秋めいてきました。とはいえ気温はどうしても暑いので、体に気をつけながら頑張りたいです。

 


キムラキコ(10期)クリアリー家からの手紙/コニー・ウィリス

 


橋本裕子(11期)日の名残り/カズオ・イシグロ

 


徳重千里(12期)So be it./Sarah Weeks(サラ ウィークス)

 

石橋澄(15期)ロボット(R.U.R.)/カレル・チャペック

 


やまもとようこ(15期)ロボット(R.U.R.)/カレル・チャペック

 


須貝美和(16期)今はもうない/森博嗣

 


サカガミタケシ(17期)ロボット(R.U.R.)/カレル・チャペック

 


東久世(18期)蛇を踏む/川上弘美

 


Tsuin(18期)不思議の国のアリス/ルイス・キャロル

 


石崎静香(19期)トムは真夜中の庭で/フィリパ・ピアス

 


鹿毛英子(19期)一房の葡萄/有島武郎

 


金子なぎさ(19期)よだかの星/宮沢賢治

 


タケイサチコ(19期)白雪姫/グリム兄弟

 


山﨑彩(19期)優しい言葉 パンとスープとネコ日和/群ようこ

 


山瀬尚子(19期)キャッチャー・イン・ザ・ライ/JDサリンジャー

 


アコル(20期)モモ/ミヒャエル・エンデ

 


長田直子(20期)長靴をはいた猫/シャルル・ ペロー

 


うめもときょうこ(21期)赤ずきん/グリム兄弟

 


小泉理恵(21期)はにわ/川上弘美

 


菅原さこ(21期)白夜行/東野圭吾

 


杉目史(21期)ママ・アイラブユー/ウイリアム サローヤン

 


すぎもりえり(21期)スイート リトル ライズ/江國香織

 


欽太郎(22期)檸檬/梶井基次郎

 


さいとうすず(22期)赤毛のアン/L・M・ モンゴメリ

 


三浦直人(22期)永遠のゼロ/百田尚樹

 


本澤ひろみ(22期)きつねと鶴のご馳走/イソップ寓話

 

以下振替。

 


清沢佳世(21期)あん/ドリアン助川

 


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9 thoughts on “<挿絵>8月22日(水)Aクラス

  • Reply
    サカガミタケシ

    石崎さん、わかりやすいまとめありがとうごさいます。
    本題からずれますが、” l ”の見出し、見やすいですね!参考にします。
    キムラさん、濃淡の振り分けかたや構図がとても参考になります。
    徳重さん、原画の印象はもう少しふんわりしていましたが
    シーンにもマッチしていてとてもよかったです。
    色紙を置いたり、塗ったりするとどうなんでしょう?
    長田さん、新しい描き方(?)もグラデがきれいで良いですね。

    • Reply
      徳重千里

      ありがとうございます!
      そうなんです、
      素材の感じが出ても良いかなあ
      と思っていた所でした。
      今度は、余裕をもって試してみま~す。

  • Reply
    橋本裕子

    いしざきさんの二人、三浦さんの二人、まったく異なる空気ですが・・・それぞれ、いいなあと思いました。
    金子なぎささんの原画、おしゃれで素敵でした。

  • Reply
    徳重千里

    石崎さん、ありがとうございます。
    わりやすいです。

    キコさん、山のにおいがしてきそうです。
    橋本さん、窓の向こうの、人が気になる。
    ロボットつづきで凄いですね❗
    須貝さんの作品、好きです、こういう感じの。
    東さん、右の女の子に愛着を感じます。
    小泉さん、暖かさとハサミのシャープなところ、面白いです。
    清沢さん、あずき、いいですね。
    皆さま、素敵な作品ばかり…

  • Reply
    菅原さこ

    「挿絵」は本選びの段階から非常に悩む課題です。
    自分の画風と本との相性、授業中先生がおっしゃった「場面」を描くか「シンボリックなもの」を描くかの選択。大好きな小説だったので楽しくもあり苦しくもありだったのですが、ミステリー小説を選んでみて色々と考えさせられるものがあり勉強になりました。

    皆さんの課題作品では、同じ小説「ロボット」を石橋さん、やまもとさん、サカガミさんが描いていてそれぞれの表現が面白かったです。
    アコルさんの時間泥棒の男達、時間を煙に巻く雰囲気が出ていて惹かれました。表情も好きです。
    清沢さんの小豆の絵、美味しい餡子になるのはまちがいない!と語りかけてきます。

    次の装画も皆さんの作品が楽しみです!

  • Reply
    金子なぎさ

    橋本さん、てへへな感じです^^。
    挿絵はどんな本を選ぶか、いつも悩みますが、
    橋本さんの「日の名残り」、本当にぴったり。素敵ですね!

  • Reply
    キムラキコ

    石橋さんの構図いいですねー!映画のワンシーンみたい。
    アコルさんの『モモ』も煙の表現がおもしろいな、と思いました。
    杉目さんの作品も雰囲気あってステキですねえ。読んでみたくなりました。

    サカガミさん、徳重さん、コメントありがとうございます。
    グレー使いすぎなんだよな……と自覚しつつ、チューブのグレーの他に、自分で混色したグレーを容器に入れストックしてたこともありました……。

  • Reply
    東久世

    挿絵は難しい課題です。説明しすぎもどうかと思うし、外れすぎても。。
    それを自分の絵にしながら、文章と程よい距離感にするのは大変です><

    澄さん、この絵ざっと描いたーって言ってましたがとってもいいと思いました。
    なんかグラフィカルでおしゃれな感じもします!
    やまもとさん、須貝さん、モチーフを幾何学模様みたい捉えてて面白いっす。黒も効いてます!
    こういうのもアリですね~ メモメモ