太田和彦著「居酒屋吟月の物語」の装画について 23


通常このサイトには普段のぼくの仕事は載せていないのですが、坂内くんの記事に登場しちゃったので、
ちょっとこの本について説明します。
あの写真だけだと絵も分りづらいしね。

この絵は左から笠智衆(小津映画等で有名)、原節子(伝説の大女優)、三船敏郎(世界のミフネの若い頃)、
田中春男(膨大な数の映画に出た名脇役)、加東大介(同じく膨大な数の映画に出演、主役、準主役も有り)
にそっくりの人たちです。
居酒屋吟月とは、そんな人たちが集う店です。

著者の太田和彦さんは著名なグラフィックデザイナーですが、居酒屋をテーマにしたエッセイでも有名ですね。
これは太田さんが10年少し前に書いた初めての小説です。単行本は「黄金座の物語」という映画館の名前が
タイトルだったたのですが、文庫化にあたり改題されました。

当初のタイトルから連想されるように、古ーい戦前の日本映画の話が沢山出てきます。
懐かしさとほのかなユーモアと不思議な感覚の入り混じった小説です。
小学館の「本の窓」に連載されている時(同誌にぼくは別の連載小説の挿絵を描いていた)、ぼくはこの小説が
単行本化される際には、是非装画をやりたいなと勝手に夢想していたのですが、叶いませんでした。

後に太田さんと飲む機会があり、そんな話を確かぼくがしたのだと思います。
で、この度、文庫化にあたり太田さんからの指名で念願が叶ったのであります。
担当編集者のSさんは旧知の人でした。
この場面設定は太田さんの要望でした。シンプルに見えますがかなり気合を入れて取り組みました。

いっぱい売れますように。

 

<スキャンしたら色が濃くなってしまった・・・。>

  吟月129


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23 thoughts on “太田和彦著「居酒屋吟月の物語」の装画について

  • Reply
    坂元美奈子

    古い邦画が好きな自分にはたまらない装画です。
    どの方も本当にそっくりですね!
    この本、うちの書店では入荷数が少なかったのですが、先生の装画が素敵すぎて平積みにしていたら、あっという間に売り切れてしまった記憶が。。。
    内容も面白そうなので、仕掛け販売(書店員オススメの本をたくさん並べたりして、積極的に売ることを「仕掛ける」と言います)してみようかなと思います。
    いっぱい売れますように!

  • Reply
    前田泰子

    先生念願の…!

    日本映画界の重鎮たちにそっくりの人たちが集うお店。
    ユーモアと不思議な感覚…気になります!
    お話読んでみようと思います。

    いっぱい売れますように!

  • Reply
    吉泉ゆう子

    昔、講義を1度受けたことがあります。太田和彦さんお酒飲みの憧れです!
    加東大介さんの「お腹」の感じがなんともリアルでクスリとしちゃいました。
    お酒のみながら読みたくなります!!!

  • Reply
    toruminegishi Post author

    みなさん、コメントありがとう!

    坂元さん、仕掛け販売、是非お願いします!
    MJイラストレーションズブックも是非入荷して、仕掛け販売、是非お願いします。
    こんな話をこんな所でしてもいいんでしょうか?

    この本の中には、古ーい邦画が19本紹介されています。ぼくも見てない映画が沢山ありました。太田さんの文章を読んでいると、その映画が本当に見たくなります。全部見るのはちょっと難しいでしょうが、DVD化されているのもあるし、You Tubeに入っているのもありますよ。

    吉泉さん、彼はたいへんな酒飲みです。仕事柄もあるんでしょうけど、1日に7,8号の日本酒を飲み、その後まだウイスキーを飲む(水割りだか、何杯だか忘れたけど)と言ってました。3日飲んだら1日休むと言ってたけど。トシはぼくより1つ下だけど、ちょっと心配ですね・・・。

    • Reply
      坂元美奈子

      仕掛け販売、承知いたしました!
      いち書店員として、尽力させていただきます。

  • Reply
    山岸あずみ

    原節子は坂内さんの記事でみてすぐにわかりました、似ていますねー!
    笠智衆は東京物語の印象が強いのですが、その優しい雰囲気がでていてすてきです。
    先生の念願が叶ったということですばらしいですね。そういうの、うれしいですよね。
    私も読んでみたいと思いました!

  • Reply
    坂内拓

    僕は並んだ書店で購入しました^^
    先生はひとつの装画にもそんなエピソードがあるんですね。
    そんな周りの方達との関係がまた素敵だなーとおもいます。

  • Reply
    佐々木美穂

    先生のいろいろな思いが詰まった装画、私も読みたくなりました!
    念願のお仕事おめでとうございます!

  • Reply
    宮前伊津子

    先生、念願叶ってよかったですね!太田さんの小説のお話は、いつかの授業帰りに聞かせていただいたのを覚えております♪
    それにしてもさすが…ほんとそっくりで唸ってしまいます。田中さんのお名前を存じ上げなかったのですが、あの人だ!とすぐに思い浮かびました。

  • Reply
    夏秋妥世

    先生の似顔絵は、本当に似てる上、従来のそれとは一線を画しているところが、すばらしくて好きです。
    本の内容も面白そうですね!買いまーす!

  • Reply
    中島陽子

    先日、日暮里駅の本屋さんで偶然見つけて、あっ!となりました。 居酒屋さんの雰囲気や音が伝わってきて呑みに行きたくなりました。 読むのが楽しみです!

  • Reply
    原けい

    拝見した瞬間人物の魅力に引き込まれました。お描きになられた名優達をはずかしくも無知でほとんどわからなかったのですが…汗 知らない人間にも人となりが伝わる表現に魅入ってます!

  • Reply
    福光文

    先生の似顔絵は本当に雰囲気があって大好きです。
    内容も面白そう~♪
    東京物語のイラストレーションも、二人とも似ていて、母と二人でため息・・・
    となった思い出があります。
    本屋さんに行けたら是非探してみます!!

  • Reply
    長光雅世

    このシチュエーションや表情とか、すごく内容が気になります!
    良いマニアックがいっぱい詰まってそうで、
    私も日本酒飲みながら、読んでみたくなりました。

  • Reply
    田口実千代

    先生の素敵な装画にエピソード、読みたくなってきました。
    私はお酒飲めないけれど、飲みたくなってくるし‥
    これは売れますねー

  • Reply
    正一

    以前に先生が「これから描くんだけど」と楽しそうに話されてましたね。
    田中春男は小津さん、溝口健二の映画はもとより、マキノ雅弘の次郎長三国志を見ていい味だなあと覚えてます。
    売れますように!

  • Reply
    四宮 愛

    先生のかつての希望が、こうして叶ったというお話しになんだかジーンとしてしまいました。
    お話、是非読んでみたいと思います。

  • Reply
    みやしたゆみ

    小津映画のファンなので、装画を拝見して感激しました。
    本を読んで、映画も鑑賞したいと思います。
    念願のお仕事、先生おめでとうございます!

  • Reply
    竹田匡志

    先生の本、本屋で拝見しました。
    すぐ先生の装画だとわかり、なみならぬ迫力がありました。思い入れがあるって素敵ですね!