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峰岸達アーカイブス / その8「てるてる坊主の照子さん」

昨年12月に亡くなられたなかにし礼さんが書かれた、新聞連載小説「てるてる坊主の照子さん」。
2001年5月から翌年2002年5月までほぼ1年間にわたり、北海道新聞、東京新聞、 中日新聞、西日本新聞の
いわゆるブロック紙(単なる地方紙と違い、その地域では発行部数が多大な新聞)の朝刊に連載されました。
その挿絵を担当し、合計332点描きました。

タイトル画は連載終了後、新潮社から単行本上下2巻が発行された時のものです。
単行本化の際、なかにしさんが中に挿絵をなるべく沢山使用 してほしいと、編集部に言ってくれたのでした。
ありがたいことです。こういう作家は滅多にいません。
ここには、その単行本に使用された挿絵45点(絵のチョイスは新潮社に任せました)を全点載せます。。

なかにし礼さんの奥さんは、石田ゆりさんと言い、その昔はアイドル歌手でした。そのお 姉さんがあのいしだあゆみさん。
他に姉妹が2人いて長女の石田治子さんは、グルノーブルオリンピックに出場したフィギュアスケート選手。
これは、その石田家(小説の中では岩田家)の家族をモデルにした 小説です。
照子さ んというのは、4人姉妹のお母さん(実際の名前は久子)のことです。
何故、てるてる坊主・・・かというと、照子さんは何か願い事があると、必ずてるてる坊主を作って、窓際などに下げ
願をかける、からなのです。
主人公は照子さんですが、なかにしさんのおっしゃってた通り、まさに「浪速の若草物語」(舞台は大阪)です。
時代背景は戦争末期から昭和40年代初頭までですが、物語も絵も必ずしも時系列通りには進んでいません。
とにかくぼくにとっては持ってこいの仕事でした。

文庫化された時は、上中下の3巻になり、挿絵は全部外されました。ネット購入の際は要注意ですね。
アマゾンで単行本18円、文庫本6円てのがありますが、なんなんですかね。

この物語は、後にNHKの朝ドラで「てるてる家族」と改題され放映されました。

新聞連載担当 / 三社連合   単行本装丁 / 新潮社装幀室   題字 / 峰岸達

 

 

 

 

上巻

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下巻