こんにちは。17期の阪上城です。実は入塾以来、冒頭文を
一度も担当したことがなく、2年も経つとさすがになんだか悪い
気持ちになってきて、今回志願しました。よろしくお願いします。
課題は「装画」です。
挿絵とセットで半年間に必ず一度ある、MJの授業の中でも、
最も実践的な授業のひとつですね。峰岸先生が語られる
たくさんのノウハウや経験談から、イラストレーターは
絵の力に加えて、用途に応える力も大切と毎回気付かされます。
今回の先生の講評から:
<装画の仕事について>
・書籍の下部分(60~80mm)には帯が入ることを必ず考慮!
・表と裏表紙のバランス:普通は表にウェイトを置く。
あえて逆をすることもあるが、編集者のタイプ
(冒険をする人、しない人)によって評価は変わる。
・タイトルや作者名の文字は、小さめにすると品が良い
・登場人物を描かないほうが作品の印象を限定しない意味で
良い場合がある。純文学作品は特にその傾向がある。
<絵を描くことについて>
・顔は略さずにしっかり描いたほうがいい
・物の構造はしっかり調べて描くこと(今回は
日本家屋の雪見障子や柱の間隔について話がありました)
・ディフォルメは良いが、描き込みが多い絵になると
今度はかえってアンバランスになるので注意。
・技術ができたら次は個性。同じスタイルの先人があれば
何か違いが出る工夫を。
・クロッキー/デッサン力もよいが、イラストレーターに
とってディフォルメ力はもっと大切。
・イラストレーターは絵を描くことだけでなく、いろいろなことを
知ること、吸収することが大事。例えば映画、音楽、テレビなど。
・質感のある紙を使いたい場合、必ずしも描きやすい紙とは
限らないので、一度画用紙の上にカラーコピーをする方法がある。
テーマが具体的なだけに、描く人それぞれの個性も強く感じた気がします。
カバー全体をデザインし、本物の書籍と変わらないところまで
かたちにしている人も少なくなく、とても贅沢なものを見ている
気がした授業でした。
合同授業前ということもあってか、懇親会は少人数でしたが、
先生がイラストレーターとしての一歩を踏み出した時のことや、
当時イラストレーターには和田誠さんや宇野亜喜良さんなど
広告系の人に対して、大橋歩さんや小林泰彦さんなど雑誌系の
人がいたことなど、いろいろ興味深い話を聞かせていただきました。
「オレなんてこれが楽しみで来てるのに…」とは先生談。
ぜひ参加者が増えますことを…!
ryuku(17期)それからはスープのことばかり考えて暮らした/吉田 篤弘
大内郁美(18期)悲しみよ こんにちは/フランソワーズ・サガン
夏秋妥世(18期)127Hours /Aron Ralston
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