<峰岸・制作公開>9月9日(日)Bクラス 11


こんにちは。冒頭文を担当いたします、19期の丸山礼華です。

今回の授業は、峰岸先生の制作が間近で見られる貴重な授業。
先週のAクラスで進めた下書きから制作を進めます。
2週連続で出席すると全過程が見られる事もあり、
Aクラスの方で見学に来ていた方もちらほらいらっしゃいました。

題材は、先生が昔描かれたイラストレーションを、今のテイストで描き直すというもの。

当時は今とは違い、人物は顔が小さめで肩幅が広く、手足は小さ目。
色使いもスモーキーなテイストで描いていたとのこと。
先生は、今見ると恥ずかしいなどとおっしゃっていましたが、当時の絵もとても素敵でした。

何故この絵を描きなおそうとしたのかというと、「気まぐれ」とのことでしたが、
エポックメーキングな絵の一つで、デフォルメや色使いも違うから、
書き直してみるのもいいかなと思った、ともおっしゃっていました。

肩幅を狭めにすることが一番大きな変更点で、
顔も今のテイストに書き換えるとのこと。
どんな作品になるかとても楽しみにしながら拝見していました。

前回の授業の続きで、
トレースした下書きをにカーボン紙を当ててなぞり、ベニア板に写していきます。
どこまで描いたか分からなくならないように、赤いボールペンで描き、
なおかつ書き忘れがないかチェックししながら進めていきます。

先生の制作時間は、ものによるけど
このくらいの大きさ、密度だと急ぎで描いて3日、のんびりで5日くらいかかるそう。

低迷期に売り込みをして決まった仕事の1つがこのイラストレーションだったそうで、
当時のお話も聞かせていただきながら、制作が進んでいきます。

着彩の順番としては、空→海→建物→人物で進めていくそうですが、
今回は色々な箇所の描き方を見せるために、順番を変更しているとのことです。

当時と今では塗り方も違って、
今はわざと板が透けて見えるというか、垣間見えるような塗り方をしているけれど、
当時は全て塗ってからタッチをつける方法でやっていたそうです。

先生は横に線を引くのが苦手ということで、
板を縦にして着彩していました。

以下は絵を描く際のポイントとなります。

•レンガは下書きなしで勘で入れていく
•ベニア板は、絵の具は乗りやすいけど鉛筆は描きにくい
•顔は細めの筆で描く
•筆にこだわりがない
(いい筆が見つかるといいけど、高いからといって使いやすいとは限らない)
•今回使っているのは木工用の筆
•アクリルガッシュを使う場合、ナイロン製の筆がが1番良く、持ち手の部分が竹でできているものは適していない
•一箇所塗ったら乾かしながら書く(手が触れて汚れてしまったりするのを防ぐため)
•人の肌はどの色か決めている
•空はグレーの中で1番薄いグレー(NO1)と薄いブルーを混ぜて使用
•海は、空と同じ色にあえてしている
•なるべく色数を少なくするようにしている
•肌に陰影をつけるのは決まったパターンで、ほっぺたと目の下に赤みをさす
•黒に見える部分はは濃いグレー(チャコールグレー NO4と5を混ぜたやつ)を使う
•絵の具はアクリルガッシュでなぜかホルベインが多くなった
•目を描く時は慎重に
•口はあたりでグレーで描いておく
•下地の線を残す部分もある
•フラットに全部塗らない

この絵は昭和27~28年くらいの時代設定です。
先生は港や倉庫などノスタルジックなものが好きで、倉庫の写真はたくさん撮っていたそうで、
自分が育ったとかは関係なく、映画の影響などがあるとおっしゃっていました。
制作する時にBGMを流すことも多いそうで、いつも何か吸収しようとしているそうです。
このような話を伺って、自分の好きなものを追求したり、どこかに行って刺激を受けたりして、
感性を磨くのが大事だなと思いました。

授業内では全然時間が足らず、家で完成させるとのこと。完成が楽しみです!
峰岸先生。とても楽しく貴重な経験をありがとうございました。

 

こんなに大勢に囲まれ、しゃべりながら絵を描く・・・。ワタシも図々しくなったのかな・・・。
感想コメントよろしくね!Aクラスもね(人数のわりにちょっと少ない・・・)!

 

元の絵は、あの伝説の雑誌「話の特集」1980年5月号に載ったもの。
他に6ページ掲載されました。ADは和田誠さん。

 

久しぶりの大きな絵(ぼくにしては)なので、約1時間半の間で海と人物1人の途中までしか描けなかった。
ちょっとしゃべり過ぎたかな。完成品はĀ、B、両クラス共、教室に持って行くので、その時見てね。

写真キャプション / 峰岸

 

 


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11 thoughts on “<峰岸・制作公開>9月9日(日)Bクラス

  • Reply
    タケイサチコ

    峰岸先生ありがとうございました。
    先生の制作を拝見するのは3回目ですが毎回新しい発見があり勉強になります。
    特に今回は2週連続で出席したので下描きから人物の着彩まで見られ、貴重な時間を過ごせました。
    下描き時に人物の顏を少し大きく描き直す時の手際の良さや、下描きなしで描かれるというレンガの線の事など、すごいなと思いました。
    個人的にスーツの塗り方も大変参考になりました。
    完成作品楽しみにしてます。
    丸山さん、詳細なまとめをありがとうございました。

  • Reply
    川井純子

    丸山さん冒頭文ありがとうこざいました。
    ちょっとお休みしてしまったのですが、分かりやすくまとめていただいてるので、その場にいるような感覚になりました!
    前に見せていただいた、日本のイラストレーション年鑑みたいな本に載っていた絵かなあと思いました。
    80年代とかの最先端お洒落みたいな絵の感じがします。
    実物見たかったですが、先生が出来上がりをお持ちくださるとのこと?
    今風のもとても楽しみにしています!
    先生、制作風景を見せていただき、ありがとうございました!!

  • Reply
    春山拓思

    峰岸先生 制作公開の授業ありがとうございました!
    今回の制作授業では、特に、人物を塗るところなど、先生の繊細な制作面を見れて良かったです!
    もう一方で、ささっと大胆に進めていくところもあって、まさに繊細にして大胆ですね。
    こうやって先生の絵になっていくんだなあと。貴重な機会でした。
    完成した作品、楽しみです。
    丸山さん冒頭文ありがとうございました!
    気がつかなかったところのポイントもあって助かります。

  • Reply
    前田なんとか

    峰岸先生、制作風景を見せていただきありがとうございました。
    重い荷物を持ってくるのも、あの人数に囲まれて質問に返答しながらの制作も大変だったと思いますが、
    とても貴重な授業を受けられて嬉しかったです。先生の絵になる瞬間に一挙一動ちょっと感動してました。
    制作公開の授業に両日参加できてよかったです。
    仕上がった作品を楽しみにしております!

  • Reply
    けいもとひとみ

    峰岸先生!ありがとうございました。
    制作の授業楽しかったです!貴重な時間でした。^_^✨
    MJ展で完成を拝見できるのをとても楽しみにしています。

    丸山さん、冒頭文ありがとうございます!^_^♫

  • Reply
    宮内カナ

    峰岸先生、貴重な時間をありがとうございました。
    Aクラスから続けて参加させて頂いたので、下絵から色を塗るまで続けてみることができました。
    こちらの作品の人物は、あえてそれぞれ関係ない(談笑したりしていない)形にしたとのことでした。それが独特のこの絵の魅力になっていると思いました。
    先生はいつも色数を増やしすぎないほうがいいと仰っていますが、ご自身では具体的に、空と海に同じ色を使うことなど工夫されていることを知りました。
    その他技術的には、ベニヤ板の色を残すこと、縦、横でかきやすい、かきにくいがあるので板を横にして描かれていることなど、とても勉強になりました。
    懇親会では、ご持参頂いた本をゆっくり見させて頂きましたが、そうそうたる著名な方と一緒に先生のお写真と、そしてこの作品が載っているのを見てとても感動しました。

  • Reply
    小菅葉子

    峰岸先生ありがとうございました。丸山さん、冒頭文お疲れ様です。先生の制作過程を拝見し勉強になりました。バルテュスがお好きだったとうかがい、私も好きな画家の一人だったので嬉しかったです。
    昨日は、完成した絵、以前の絵をともに並べて説明して下さり、時代変化や感覚の変化等を比較できるのは、貴重な経験になりました。ありがとうございました。

  • Reply
    小牧真子

    休学中のため、峰岸先生の制作公開を
    みられなかったのですが、
    MJブログのおかげで、制作の一部を
    拝見できるのは大変うれしいです!

    冒頭文の丸山さん、
    わかりやすくまとめてくださって
    どうもありがとうございました。

    好きな時代やアイテムを作品にちりばめる
    先生のこだわりや、
    自分にあう画材探しなど
    何度か教えていただいていますが
    昭和ノスタルジーを描くミネ・スタイルに
    注目して冒頭文を読みました。

    貴重な先生の最新の作品を
    いつか拝見できたら感動すると思います。
    そんな機会を心待ちにしております!

  • Reply
    堀部久美子

    先生ありがとうございました!
    線の描き方も塗る動作も丁寧で的確な動きに感動しました。
    掲載されている本「話の特集」を手に取って見れたのもとても貴重な体験でした。

  • Reply
    森 きなこ

    丸山さん、冒頭文とってもわかりやすいです〜ありがとうございます
    峰岸先生、公開授業してくださってありがとうございました!
    絵の変化、使う画材など(発明まで)
    目の前で制作を拝見することができて、
    とても貴重であり、とても楽しく、感動しながらであっという間でした…!贅沢な時間をありがとうございました。

  • Reply
    増田恵

    峰岸先生、制作過程を公開していただきありがとうございました。
    約40年前のご自身の作品を今描くとどうなるだろう、、をすることは停滞することなく常に新しい今がある先生だからこそ出来ることなんだろうな、、と思いました。また先生の道具ひとつひとつへのこだわりや愛情に、妥協しないこと、ご自分の心地良さを探ることなど全てはいい作品を作り上げることへ繋がっているんだなーと感じました。私ももっともっと自分の中をかき混ぜて未来の自分の今が新しくあるようにしよう!と思いました!
    貴重な機会を与えていただきありがとうございました。