「峰岸制作」6月24日・Aクラス 17


峰岸先生「海辺の家族 夏」を描く

こんにちは、17期あかしあきこです。
今回は初めて峰岸先生の描くところを見学しました。
とても楽しみでした。欠席の方のために実況風でお伝えします。
「海辺の家族」を春夏秋冬で4枚描きMJブックスに掲載し、原画はMJ展に展示する予定だそうです。今回は夏。

下書き。
黄色いボール紙にカーボン紙にのせて、その上に下書きをのせてなぞります。カーボン紙を使うなんて。黒い線はカーボンだったのか。外枠にマスキングをして彩色スタートです。最後にマスキングをはがすのが楽しみなんだそうです。みなさんもそうでしょうね。

水入れの底に防音&クッション用のゴムを敷いて筆洗いをしています。ほとんど水を入れ替えないそうです。えー!とどよめきが、でもそれは私と一緒だわ。
時々youtubeで落語を聞きながら描いたりもするそうです。「ボクね話しながら描けるんですよ」と先生がいろいろ話していると、ここがアトリエにいるように感じます。ああ楽しい。

初めに背景の海と空を塗ります。
ア クリルガッシュの色そのままに、ごく少量の水を溶いて塗っていきます。人物のまわりを細い筆で、広い面積のところは太い筆で。微妙にカーボン線を残しなが ら。水が少ないので、わりとかすれている部分もあります。そこを重ね塗りなどしたりして味を出していくようです。時々ドライヤーで乾かします。次は空の上 から雲を白で塗ります。下絵なし。現実の雲より見栄えのいい雲の形を、と下書きを見つつ描きます。砂浜は肌色で。女の人と同じ肌色です。フラットに塗れて いるか確認しながら丁寧に塗っていきます。

色は下書きの段階で決めてあるそうです。
今回の「夏」は海と空の色は同じペールアクアで す。雲の白はチタニウムホワイトです。これは不透明度が高いので白として使いやすいそうです。砂浜は肌色。女の肌と同じ色ペールピーチ。男の肌はフレッシュ。 少し濃い肌色です。だいたい肌色は3種類くらいを決めて使っているそうです。調合するのは時間の無駄なんだそうです。なるほど、彩色にいちいち迷っていた ら迷いが絵に出て、メッセージのあるいい絵はできないかもしれないですね。反省します。

家族を描いた挿画のファイルと峰岸先生著「私の昭和 町」PHP研究所、「東京物語」の尾道シーンの絵を回しながら、実際に描く絵と見比べて見ていきます。この線はセピア色なのか?カーボンなのか?。先生は 器用なのか?不器用なのか?など考えながらの楽しいひととき。人が描くのを見るのっておもしろいですね。

時間がなくなり背景終わらないまま人物へ。
お母さんの顔、首、腕を塗ります。微妙にカーボン線を残しつつペールピーチを塗ります。白で白目部分を塗り、オレンジで唇を塗り、セピア色で髪と輪郭線を所々描いていきます。
細い筆で目、眉、鼻筋を描きます。手が震えると言いつつ、丁寧に目を描きます。この目が描かれると一気に峰岸先生の絵になりました。
鼻は特徴を持たせないようにうすく描き、輪郭もうすかったり濃かったりと描きながら調整していました。
ほお紅とアイシャドーをシェルピンクでうっすら描いて終了。

淡い色の多い絵は一日では描けないそうなので、今回はここまででした。残念。人が描いているのを見るは初めてで、とても楽しい授業でした。皆さんの描くのも見てみたいです。でもこの続きが見たかった。特に人物と最後の仕上げなど。この続きを見たいです、先生。

とても長くなりましたが、先生も同じように描いていたんだな、とわかり安心し、しかし自分はどうなの?と問いかけ、帰って人物を描きたくなった日でした。

授業風景_1 

 制作プロセスの写真も載せようかと思ったのだけど、ややこしくなるので割愛。生徒はもっと回りにわーっと
いっぱいいます。   峰岸

 

 

 

 

 


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17 thoughts on “「峰岸制作」6月24日・Aクラス

  • Reply
    原 倫子

    私は先生の制作公開をみるのは2度目でしたが、前回とは条件が違っていたので今回も新鮮、驚き、発見の連続でした!

    中学校の美術の時、「配布されている絵の具の「肌色」は生っぽくていかん。混色するように。よく観察して。人には静脈があるだろう?静脈は青い!青を混ぜるとよいのだ!」と教わって以来(油絵専門の先生でした)肌色は混色しなければならないと思い込んで、とらわれていました。
    峰岸先生がチューブのままの色で着彩しているのを見て、衝撃でした。
    わたし・・・今まですごく無駄なことしてたのかも・・・。的な。

    制作公開で見た技をパクって、じゃなくて参考にして、夏の課題をやっている今です。
    先生、貴重な原画やファイルも沢山公開していただきありがとうございました!贅沢な授業でした〜。

  • Reply
    四宮 愛

    あかしさんの実況風での冒頭文が
    この日をリアルに思い出させて下さいました。

    先生が描かれるのを生で拝見出来るこのチャンス…。
    本当に楽しみにしていました!

    MJに入るまで、アクリルガッシュに苦手意識があり
    ほとんど使ったことがありませんでした。
    この一年「勘」で使ってきたこの画材。
    画材の魅力を誤って認識してるかも?
    そもそも使い方を間違ってはいないか??
    このモヤモヤの答え合わせが出来たような気がしました。

    何もかもが勉強になりましたが、
    特に下書きの描き方はすぐに実践してみたいと思いました。
    (カーボン紙の使用、構図を大事に&中央を決める、マットの余白を考慮しマスキングテープを使用する など)

    先生、貴重なお時間をありがとうございました!

  • Reply
    toruminegishi Post author

    あかしさんがチタニウムホワイトと言ってるけどあれはあとで気づいたんだけど間違って以前使っていたチャイニーズホワイトを使っていて これは透明度が高くてぼくとしては使ひづらひ絵の具で余計な手間ばかりかかるし捨てとけばよかったのに引き出しにしまってあったのを 
    間違っ持っていってしまひ塗っていてなんか変だなあ塗りづらいなあと思っていたのだけど雲を描くのも久しぶりだしその時は絵の具の事をまったく疑ってなくてあとでもう1度チタニウムで塗り直したけど雲のところだけ絵の具が盛り上がっちゃったなあやっぱり(山下清風)

  • Reply
    山下晶代

    先生のコメントが・・・なぜ山下清風・・・。
    私も公開制作は二度目でしたが、あの時は入ったばかりだったこともあり、今回また新たな発見がありました。
    先生の、肌の「決め色」のチューブをまじまじと見て、色名をメモしたのは私だけではないですよね。
    というか、みんながざざーっと一斉にメモしたのが、ちょっと笑えました。
    原さんのコメントにもあったけれど、私もああでもないこうでもないと無駄に混色に時間をかけているなあと反省しきり。
    あと、私は絵の色に影響しそうな気がして、マスキングテープどころか絵を描くスペースの周囲に強い色のものを置かないようにしていたので、先生の「きれいな色のマスキングテープを使うと気分が上がる」で目からウロコぼろぼろでした。
    先生、貴重な時間をありがとうございました!

  • Reply
    銀杏早苗

    あかしさんの文章。実況風とありますが、まさに実況中継みたいですね。
    魅了されました。
    私もアクリルガッシュを使っていたときは、混色作業にほとほとくたびれておりました。

  • Reply
    サクマユウキ(モリザキサチコ)

    あかしさん、実況ありがとうございます!
    自分でメモしきれなかったことも思い出せたので感謝です!!
    初めて拝見した先生の制作。とっても勉強になりました!!

  • Reply
    大野博美

    今回は欠席してしまって残念でしたが、あかしさんの詳しい実況に感謝です。
    私もいつも迷いながら混色してました。
    絵具の選び方も混ぜ方もいつも適当で、つい大きなチューブ買って余らせたりしてるだらしなさで。
    もうちょっと自分のやり方を整理した方がいいかも…と思ってた所なので参考になりました。
    改めて、欠席してしまって残念です。

  • Reply
    京極あや

    実に正確かつ臨場感あふれる冒頭文ありがとうございます、あかしさん。
    肌とか何色使ってるのか気になったのに、メモするの忘れてたので助かりました。

    古株なので先生の制作授業は何度も参加してるのですが、今回も非常に参考になりました。
    夏の課題やってて、先生に影響されて紙をくるくる回しながら描いてる自分がいました。
    確かにこっちのほうが描きやすいや。

  • Reply
    植松彩子

    初めて先生の制作過程を拝見しましたが勉強になることばかりでした。
    私も混色に時間がかかったり、色を決めるのに時間がかかったりしてましたが、
    先生はそういった時間を省いた効率的な描き方だったので、
    今後わたしも実践してみたいと思います
    為になる二時間ありがとうございました。

  • Reply
    toruminegishi Post author

    山下清と同じ名字の山下晶代さん何故山下清風になったかと云ふとコメントを書き出したらなんだか山下清の文章みたいになってきたのでだったらずっとそれで通そうと思いそうしたのだけど山下清の絵は知っていても文章は知らない人も多い思ふのでちょっと説明すると山下清の文章は句読点がまったくなくて一つのセンテンスがだらだらとものすごく長くて旧仮名遣いの部分も結構あって知的障害だったけど漢字はよく知っていてとても面白いのでぼぼくは大好きだなやっぱり(文章ではぼぼくはとかやっぱりとかは云はないけど)

    • Reply
      山下晶代

      わっ、先生のコメントがー!ありがとうございます。
      山下清の作品集は昔持っていましたが、そういえばそんな文章だったかな・・・というくらいの記憶です。
      先生のコメント、私の頭の中では、芦屋 雁之助が演じていた「裸の大将」の、あの語り口で聞こえてきます。

  • Reply
    しんやゆうこ

    今回は欠席してしまい、とても残念でした。あかしさんの丁寧な冒頭文がたいへんありがたいです。
    峰岸先生のファンとしては、是非参加したい授業でした。重ね重ねざんねんです〜。

  • Reply
    有馬奈保美

    あかーしーさん、詳しく書いて下さり、本当にありがとう!絵具の色名も分かって嬉しいです。MJ展に出される作品ということで、製作過程もさることながら、今後額装され、mjbookに印刷掲載されるところまで、変化を見させて頂けるのも楽しみです!

  • Reply
    ちぎらはるな

    先生の山下清風コメントが面白過ぎだとおもふ今日このごろなんだな。

    授業休んでしまったので悔しいです。でもあかしさんの実況凄くありがたいです。ありありと想像出来ます。
    私も過去2回先生の制作授業受けてるのですが、色々衝撃を受けて真似しちゃいました〜。
    以来アクリルガッシュのフタはずっとオレンジシリーズです。

  • Reply
    あかしあきこ

    みなさまお褒めの言葉ありがとうございます。
    風邪をひいて朦朧としたまま書いたため、まとまらずだらだらと長くなってしまったんです。
    メモを頼りに思い出しながら、書いたのが功を奏しました。
    ほんとに楽しい時間でしたね。
    原画展楽しみです。

  • Reply
    宮前伊津子

    先生公開制作ありがとうございました。
    色数を少なく、とはいつもアドバイスいただいて気にしてたのですが、混色しなくてもこんなにステキに仕上がるんですね・・・。
    早速真似してみます。

    あかしさん詳しい冒頭文ありがとう~!