<MJブック解説>6月23日(日)Bクラス 10


今回の冒頭文を担当します、22期の藤安初枝です。

23期4回目となる授業は、「 MJイラストレーションズブック2019」 に掲載されている卒業生のお話を、2時間たっぷり先生からお聞きできる「MJブック解説」でした。
掲載者98名でスタートしたMJブックが、 6号目を迎えた2019年には165名となりました。
「 掲載人数は増えているけれど掲載者のレベルは落ちていないよ!」と先生。確かに、中身も厚さも凄みのある1冊となっています。

また、これまでは装画や雑誌のカットなど、デザインも含めてそのまま掲載していたものもありましたが、「 イラストレーションそのものをより見やすいようにしたい」という先生のご意向で、今号では特別な場合を除いてイラストレーションをシンプルに掲載していく形を取っているそうです。

MJブックの歴史や概要のお話の後は、各々が挙げた「 気になる3名」 についてMJで学んでいた頃のことから卒業後のこと、現在の仕事の状況、時には今後の活動予定までも先生がお話しして下さいました。
全体を通して多く話題となったことや留意しておきたい点をいくつ か以下にまとめます。

【写真も大切な情報です】
イラストレーション以外の仕事の関係などで顔出しNGの人も、各々工夫してプロフィール写真を掲載。この仕事をするからにはある程度媒体に顔写真を出すのは仕方ない と考えよう。正面から写っている写真は印象がいいのではないか。

【本来の良さを出す難しさ】
たくさん仕事をしていても、本来の良さを出しながら仕事として成立させるのに苦戦し、違う画風で仕事をしている人もいる。いい絵を描くのに勿体ない。MJブックには仕事以外の描き下ろしを掲載している場合もある。

【試行錯誤】
今回、何度も出てきたキーワードが「試行錯誤」
いくつかの派閥?があるようで。

①入ってきた時には、 何を描いたらいいのかわからないような状態でも、 在塾中に試行錯誤と努力の結果少しずつ上達して画風を確立させた派。

②最初から上手だった人が素直に先生のアドバイスを受け入れ、 さらなる試行錯誤の結果、より洗練されて深みを増した派。

③なかなか仕事につながらず、 試行錯誤を繰り返して画風が度々変わる派。( この人はこういう絵と覚えてもらいにくいので、 あまり変えすぎるのも逆効果になることもあるので気をつけよう。 )

【ママさんイラストレーター多し】
子育てと並行してイラストレーターの仕事をしている先輩がたくさ んいる。 あまり制作時間のかからない作風にシフトしている場合もあるが、大変だろうに皆工夫しながらよく頑張ってる!

【持ちつ持たれつ】
イラストレーターは横のつながりも大事。人の展示は積極的に見に行くべし。見ることも勉強。人情を大事にね。

入塾の時点でまだ自分の絵が見つかっていなかった人も、ある程度描けていた人も突然「化けた」人も、先生のご指摘を「 素直に聞いて」 コツコツと努力をして伸びていった方が多かったのだなということが講義全体を通して感じられました。

(ちなみに、「MJの2大 “化けた”人」は若林夏さんと水沢そらさんだそうです。)

第三者の意見を素直に聞いて自分の絵に落とし込んでいくことは、絵を描く人にとってはできそうでいて実はなかなか難しいことかもしれません。しかし、仕事としてイラストレーションと向き合っていくためには避けては 通れないことでもあります。また、一方で各々自分にとって譲れない部分もきっとあることでしょう。授業はもちろん、個展、グループ展、売り込み等でいただくご意見を素直に聞きつつも芯をしっかりと持って、自分なりの表現を見つけていきたいと改めて感じた2時間でした。

最初から最後まで卒業生への愛情たっぷりに語り尽くしてくださった先生、ありがとうございました。
いつか卒業を迎えた時でも、先生がいつまでも見守っていてくれるんだなとほっこり嬉しくもなった夜でした。

 

 

 


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10 thoughts on “<MJブック解説>6月23日(日)Bクラス

  • Reply
    前田なんとか

    はっちゃん冒頭文ありがとうございます!うんうんと噛み締めるように読みました。
    峰岸先生も2時間ぶっ通しでのお話しお疲れさまでした!
    この授業の醍醐味は、いつもにも増して先生のオフレコトークが炸裂することですよね、出なくちゃ味わえない生き字引からのトンデモ面白話し☆今年も聞けた〜!
    ありがとうございました。

  • Reply
    マシコ タマコ

    興味深いお話ばかりで、あっという間の二時間でした。
    先生のお話を聞きながら、
    卒業後もこうして多くの教え子たちを気にかけてくださってるんだなぁと
    少しじんわりしました。
    「試行錯誤とコツコツ精進」胸に刻んだ夜でした。

  • Reply
    わたなべえみ

    ドキドキしながら、初書き込みします。
    とてもわかりやすい冒頭文、ありがとうございます!

    いろいろな“深さ”を感じたお話でした。
    先生の懐の深さ、イラストレーションという世界の奥深さ、
    先輩たちの自分のイラストレーションにたどり着くまでの試行錯誤・・・。
    熱い思いで胸がいっぱいになりました。
    ありがとうございました。

  • Reply
    森 きなこ

    藤安さん、スッキリまとまっていてビックリさすがの冒頭文ありがとうございます!!
    2時間盛りだくさんの峰岸先生のお話は、昨年同様とても聞き応えのある、身にしみる(少し痛い)お話でした。
    先生ありがとうございました。
    MJブックを何度も見返して、自分と闘います…!

  • Reply
    峰岸達

    もう10日過ぎたのにコメント4つしか入いらね~よ~。
    41人も生徒いるのになあ。
    4人はありがとう!

    来年からこの授業やめようかなあ。
    あ~あっと。

  • Reply
    小菅葉子

    峰岸先生に上記のようなコメントさせてしまい、申し訳ありませんでした(大汗)
    藤安さん冒頭文、ありがとうございます!
    4名の皆様、ありがとうございました。

    先生、迂闊にも見逃してしまいましたが、MJブック解説とても、とても有意義な講義だったので、
    いつも寛大にお許しくださっていますが…次回の開催をこころより願っております!

  • Reply
    増田恵

    あーー私もです。申し訳ありませんでした!

    藤安さん冒頭文ありがとうございました。
    欠席してしまったので様子がわかりとても助かりました。
    オフレコ話聞き逃してしまいました。

    第三者の意見を自分の絵に落とし込んでゆく。。本当にそうですね。自分の絵を通して沢山の人と対話することをもっとチャレンジしていきたいです。

  • Reply
    宮内カナ

    遅れてのコメント、しかも先生からご指摘を受けてからで申し訳ありません。
    今回は、掲載の卒業生の皆様の、入学時点での実力を、abcで評価されたのが新鮮でした。意外な方々が、入学時は今と全然ちがったというお話を聞き、驚きました。そして、自分もご指摘を素直に聞きつつコツコツ頑張っていれば化けられるかな?と希望につながりました。

    また、すでに自分の画風を確立されているように見えた方々が、現在、試行錯誤中だと聞いたことも新鮮でした。
    具体的な先輩方についてのコメントは、
    ○北住ユキさんはかなり早い時期からイラストレーションの仕事をされている。
    ○前田泰子さんは夜を描くのがとても上手。
    ○坂内拓さん、田口実千代さんはページの色が全体的にきれい。
    ○仁方越由夏さんは小さい子供を描いているけど可愛くなりすぎなくて良い。
    ○四宮愛さんは展示の際、ギャラリー内の内装も自分で選び演出した。
    ○小池ふみさんはMJブックをきっかけにスペインのギャラリーから依頼を受けて展示を行い、作品は完売した。
    などなど

    その他、イラストレーションを仕事にしていくアドバイスとして
    ○展示はなかなか仕事につながらない。MJブックのほうが仕事につながる。持ち込みも良い。
    ○千円単位の値段をつけない。イラストレーションの価値を下げないこと。
    ○装画は1点10万円くらいが妥当
    と、具体的なアドバイスをいただきました。

    先生、充実した2時間をありがとうございました。これからも是非宜しくお願いします。

  • Reply
    川井純子

    遅ればせながら、コメント失礼します!
    休学中ですが、こうして記事を読ませていただけるだけで改めてとっても勉強になります〜〜〜
    イラストレーションの価値を下げないこと、、、
    展示よりMJブック、、、などなど、、、
    非常に実践的なアドバイスありがたいです。
    このコメントを読めることがありがたいです!

  • Reply
    春山拓思

    先生、二時間通しでのお話ありがとうございました!
    藤安さん詳しい冒頭文ありがとうございます!
    先生の驚異の記憶力には毎回驚かされるばかりです!臨場感まであるりますよね。
    一緒に学んでた人の知らない話は面白いです。
    毎回、いろいろ思うところが多い授業です。自分の場所を考えさせられます。
    MJに入って長いんですが、自分は先輩方でいうところの、まだまだ試行錯誤の段階なのかなと。
    仕事も評価もないのにスタイルを守るなんてまだ早い。
    向上心をもって、変化を恐れずコツコツと。その先にいい絵が描きたいですね。